Wさんとの再会

足かけ30年来の知人・友人であるWさんの個展が銀座石井画廊で開かれていた。
年賀状と展覧会のお知らせの二枚の葉書は毎年欠かさずいただいている。
お互の「存在証明」となる一葉の葉書のやりとりが続いている。
彼女の作品が展示されている会場に足を運んでも、ご本人と会えるのはまさに「運」。
昨年春にも上野の森美術館で開催されていた第34回写実画壇展に足を運んだが、会うことはできなかった。
そんなわけで、この数年は作品には「会って」いても、本人に「会う」ことはなかった。

街路灯が電飾にきらめき、某宝石店の店頭には大きく華やかなクリスマスツリーも飾られ、歩行者天国で賑わう銀座の街を散策しながら、画廊に足を踏み入れた。
外の喧騒とは別世界の静謐なる空間である。
Wさんと何人かの人たちが画廊中央に設えられた席でお茶を飲みながら談笑していた。

「あの頃」と変わらぬ雰囲気を持った作品が並ぶ。
静物画あり、風景画あり・・・。
独特の色使いとタッチに懐かしさを感じる。

ぐるっと一通りの作品を見終わった時、彼女の視線を感じた。
「わかりますか」
しばしの沈黙の後、「え~、ひょっとして**さん(私の名前)、おじさんになっっちゃったね~」
ということばが発せられた。
そして、すかさずフォローのひとこと。「おたがいさまだけど」。

5年以上も会わないと、やっぱり「おじさん」に見られるのだろうか。
仕方の無いことであると感じると共に飾らぬ彼女らしい対応に心があたたまった。
おたがいの近況を報告しあいながら、Wさんのデビューであった「二人展」の時のことを思い出した。
確か打ち上げで、現在の六本木ヒルズ近くのおでん屋さんで痛飲した記憶がある。
しばしのタイムトリップを楽しんだ。

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100Fの大作『増上寺のさくら』とWさん

住む世界は違うけれど、泣いたり笑ったりしながら、自分の道を進んでいる。
「是非一杯やろうね」と語り合ったが、実現するかどうか・・・。
また数年後に会ったときにも思い出話をしながら、元気に頑張っている姿をお互いに見せあえることができれば「しあわせ」である。

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画廊を辞して帰る時には太陽もすっかり西に傾いていた。
さあ、明日からまた頑張ろう。

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