正当性があったとしても正統性はどうなのか

安倍首相は消費税の再延期とW選挙を行わないことを表明した。

消費増税の延期という政策的判断の正当性と、それによって生じる政権の正統性は別次元の話だと思う。

会見において、安倍首相は自身が増税延期の条件としてきた「リーマンショック級か大震災並」といった状況は起きていないことを認めた上で、「新しい判断」を下したと語った。
そして、その信を参院選で問うのだと身振り手振りを加えて説明した。

前回の消費増税の延期の際に、「再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。
平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします」と胸をはり、増税延期の信を問うとして、衆院を解散した。
そしてその「信」を受けて選出された衆議院議員によって、安倍氏は首班指名を受けて総理大臣となった。
よって、先の公約を果たすことが安倍氏が内閣総理大臣でいることの必要十分条件だと考えるのが妥当だろう。

消費増税の是非や、そのタイミングなど政策論レベルでは様々な意見があるだろう。
そしてそれが政治判断マターであることも否定はしない。
現に多くの世論調査では増税延期を是とするものが多数を占めている。
しかし、それはその政策の正当性をめぐる議論であるに過ぎない。
その政策をどの政権が実行する「資格」があるかという政権の正統性とはあくまで別次元の問題なのではないだろうか。
そうした意味では、最後まで増税延期に抵抗した麻生副総理の「衆議院選挙により、信を問うのが筋だ」という主張に分があったと思う。
折角プラス評価をしたのに、同氏は例によって、「金は使わなきゃ何の意味もない。90になって老後が心配とかわけのわからないことを言っている人がテレビに出ていたけれど、いつまで生きてるつもりだよと思いながら見ていましたよ」と舌たらずのフライング発言をしてしまった。

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舛添前都知事が公費で購入したとされる クレヨンしんちゃん にも 『ウソつきは政治家のはじまり』と記されていたのに・・・。(クリックして拡大視できます)
Once you start lying, you'll end up on gallows. (一旦ウソをつき始めると、しまいには絞首台にのぼることとなる。)

二度と増税時期を変更しないことを約束して信を問い首相になった内閣総理大臣が、その約束を反故にするというのであれば、これは単なる政策変更や公約不履行だといってスルーさせてはならない問題だろう。
政権の正統性の根幹に関わる問題だといえるのではないだろうか。

いうまでもなく、参院選挙ではその後の国会で再度、首班指名は行われない。
安全な場所に身を置きながら、やりたい放題では、「それはないんじゃないの」と言いたくなってしまう。

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