M.フリードマン氏の名言

『100%善なる人間』も、『100%悪なる人間』もいない。
市場競争万能の経済理論をブチ上げ、ノーベル経済学賞を受賞した故M.フリードマン氏は昨今頓に評判が悪い。
(そもそもノーベル賞に経済学賞が設けられていること自体、ピンと来ない。)
しかし、そうはいうものの『なるほど』と膝を打つ名言も残している。
人間が一番いい加減な金の使い方をするのは他人の金を他人のために使う時だ

これは次のように解釈することもできる。
・自分の金を自分のために使う・・・節約と効率を考える
・自分の金を他人のために使う・・・効率についての関心が薄くなる
・他人の金を自分のために使う・・・節約についての関心が薄くなる
・他人の金を他人のために使う・・・節約も効率も考慮しない

さらにイギリスの政治学者パーキンソンの名がついた『パーキンソンの法則』には次のような名言もある。
・仕事は与えられた時間いっぱいかかるものである
・役人の数は仕事の量とは無関係に増え続ける
・支出の額は収入の額に達するまで増え続ける


こんなことを思い出したのも、東京都下水道局のワッペン騒動を知ったからである。
東京都下水道局:内規違反とワッペン変更に3400万円 知事「くだらねえ完全主義」
 ◇細い線1本消すために…
 東京都下水道局が新調した職員の作業服用のワッペンに、波線が描かれているのは「内規違反」だとして、同局が約3400万円をかけて作り直していたことが分かった。

 細い線1本が原因で多額の公金が無駄になり、最初のデザインを決めた幹部2人が訓告処分を受けたが、あまりの「お役所仕事」ぶりに石原慎太郎知事は「くだらねえ完全主義だ。骨身にしみて反省させる」と憤慨。作り直しを決めた職員も処分する意向を示した。

 下水道局は今春、職員の作業着約2万着を一新。右胸につけるシリコーン製のワッペンを新たに縫い付けることにした。都のシンボルマークであるイチョウの横に局名を描き、その下に「水をきれいにする」というイメージを込めて、水色の波線(約5センチ)を加えたワッペンを考案した。

 だが昨年11月、局内からシンボルマークの取り扱いを決めた内規「基本デザインマニュアル」に触れるとの指摘があった。内規には「(イチョウのシンボルマーク以外の)他の要素を加えない」との規定があり、同局も波線がこれにあたると判断。完成していた2万枚のワッペンを廃棄し、新たに3400万円をかけてワッペンを作り直した。

 都は3月、最初のワッペンのデザインを決めた当時の部長と課長を訓告処分にした。下水道局は「作業服は長い間使っていくもの。基準に違反するものを使い続けるわけにはいかなかった」と説明している。【林哲平】
毎日新聞 2009年4月11日 東京夕刊


「くだらねえ完全主義」というよりも、内規=マニュアル至上主義、融通の利かない役人根性、どちらを向いて仕事をしているのかと言いたくなる出来事であった。
報道によれば追加支出した3400万円は事務経費などをやりくりして捻出したとのことであるが、そもそもそうした額を捻出することができるだけの<水ぶくれ予算>であったということだろう。
下水道局だけに<水ぶくれ>は得意技ということだろうか。
下手な落語家が使いそうなオチである。
M.フリードマン氏のことばは、こんな所にも生きていたのであった。

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